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2015年9月22日 (火)

監査等委員会設置会社(4)~監査等委員会規程

監査等委員会規程(「監査等委員会規定」「監査等委員会規則」の題名もあります。)の私案を掲載します。次の日本監査役協会の「ひな型」とは、仕組みが異なります。私案の方がすっきりしていると思うのですが、いかがでしょうか。

http://www.kansa.or.jp/support/library/regulations/post-138.html


                             監査等委員会規程

 第1条(目的)

 本規程は、法令及び定款の定めに基づき、監査等委員会に関する事項を定める。

 第2条(組織)

 1 監査等委員会は、全ての監査等委員である取締役(以下「監査等委員」という。)で組織する。

 2 監査等委員会は、委員長(以下「監査等委員長」という。)を選定する。

 3 監査等委員会は、常勤の監査等委員(以下「常勤監査等委員」という。)を選定する。

 第3条(職務・権限)

 1 監査等委員会は、次の職務その他法令及び定款に定める職務並びに監査等委員会が必要と認める職務を行う。

 ① 取締役の職務の執行の監査

② 監査報告の作成

③ 会計監査人の選任、解任及び不再任に関する議案の内容の決定

④ 監査等委員以外の取締役の選任、解任、辞任及び報酬等について、株主総会において陳述する意見の決定

⑤ 会社と監査等委員以外の取締役との間の利益相反取引の承認、不承認の決定

 2 監査等委員会は、前項の職務の遂行に関し、弁護士、公認会計士、税理士等の外部の専門家の意見を徴取することができる。この場合の費用は、会社の負担とする。

 第4条(会議の開催)

 監査等委員会は、原則として○か月に1回開催する。ただし、必要に応じて随時開催することができる。

 第5条(招集権者及び議長)

 1 監査等委員会は、監査等委員長が招集する。ただし、各監査等委員が招集することを妨げない。

 2 監査等委員会の議長は、監査等委員長がこれを務める。ただし、監査等委員が前項ただし書により招集したときは、その招集した監査等委員が監査等委員会の議長を務めることができる。

 3 前項にかかわらず、監査等委員会は、互選によりその議長を選定することができる。

 第6条(招集手続)

 1 監査等委員会の招集通知は、各監査等委員に対して会日の3日前までに発する。但し、緊急の場合には、この期間を短縮することができる。

  2 監査等委員の全員の同意があるときは、前項の招集手続を経ることなく監査等委員会を開催することができる。

 第7条(決議の方法)

 1 監査等委員会の決議は、議決に加わることができる監査等委員の過半数が出席し、その監査等委員の過半数をもって行う。

 2 前項の決議につき、特別の利害関係を有する監査等委員は、その決議に加わることができない。

 第8条(決議事項)

 監査等委員会は、次の事項を決議する。なお、法令又は定款で別段の定めがある場合を除き、監査等委員会がその職務に関し任意に行う決議を妨げない。

 ① 監査の基本方針、監査計画、監査等委員の職務分担に関する事項

 ② 監査基準の策定

 ③ 監査報告の内容

 ④ 株主総会に提出する会計監査人の選任及び解任並びに会計監査人を再任しないことに関する議案の内容

 ⑤ 監査等委員でない取締役の選任、解任、辞任及び報酬等について株主総会で陳述する意見の決定

 ⑥ 取締役(監査等委員を除く)の利益相反取引の承認

 ⑦ 会社法第340条第1、第5項に基づく会計監査人の解任。ただし、この場合、監査等委員全員の同意を必要とするものとする。

 ⑧ その他法令、定款又は本規程で定める事項

 第9条(選定監査等委員)

 1 監査等委員会は、常任として、次の報告の徴収又は調査等を行う監査等委員(以下「常任選定監査等委員」という。)を選定する。この場合、常任選定監査等委員は、①及び②に関する事項について、監査等委員会の定める監査方針、監査計画その他の決議があるときは、これに従わなければならない。

 ① 会社の取締役、従業員に対する業務執行の報告徴収、業務及び財務の状況の調査

 ② 子会社に対する事業の報告徴収、業務・財務の状況の調査

 ③ 会計監査人に対する報告徴収

 2 監査等委員会が第8条⑤の意見を決定するときは、常任監査等委員が、その意見を株主総会で陳述する監査等委員として選定されたものとする。ただし、別の監査等委員を選定することを妨げない。

 3 監査等委員会は、必要があるときは、次の特定の事項を行う監査等委員(以下「特任選定監査等委員」という。)を選定する。この場合、特定選定監査等委員は、当該特定の事項について、その選定の決議に従わなければならない。

 ① 取締役会の招集

 ② 会社と監査等委員以外の取締役等との間の訴訟につき会社を代表すること

 ③ 第8条⑦の会計監査人の解任理由を株主総会において説明すること

 4 常任監査等委員及び特任監査等委員は、前3項の職務の遂行について、その経過及び結果を、遅滞なく監査等委員会に報告する。

 第10条(特定監査等委員)

 1 監査等委員会は、監査報告の授受等の次の職務を行う監査等委員(以下「特定監査等委員」という。)を指定する。

 ① 特定取締役から事業報告及びその附属明細書並びに計算関係書類の提供を受けること

 ② 会計監査人から会計監査報告の内容の通知を受けること、並びにこの通知の期限につき特定取締役及び会計監査人と同意をすること

 ③ 監査等委員会の作成した監査報告の内容を特定取締役及び会計監査人(会計関係書類に関するものに限る)に通知すること、及びこの通知の期限につき特定取締役と同意をすること

 2 特定監査等委員は、前項の書類の提供を受け、又は会計監査報告の内容の通知を受けたときは、他のすべての監査等委員にその内容を通知しなければならない。

 3 特定監査等委員に事故があるときは、いずれかの監査等委員が前2項の職務を行う。

 第11条(兼任)

 常勤監査等委員は、常任選定監査等委員及び特定監査等委員を兼ねるものとする。ただし、常勤監査等委員が欠けた場合又は事故がある場合はこの限りではない。

 第12条(同意事項等)

 1 監査等委員会の次の同意は、監査等委員会の決議による。

 ① 会計監査人の報酬等の決定に対する同意

 ② 監査等委員である取締役の選任に関する議案を株主総会に提出することについての同意

 ③ 監査等委員会を補助する使用人の人事に関する事項について会社が定める同意

 2 全ての監査等委員の同意を要する次の同意は、監査等委員会において、全員一致の決議により行うことができる。

 ① 監査等委員以外の取締役の損害賠償責任免除責任免除議案の総会提出への同意

 ② 監査等委員以外の取締役の損害賠償責任免除の定款変更案の総会提出への同意

 ③ 監査等委員以外の取締役の定款に基づく責任免除議案の取締役会への提出の同意

 ④ 非業務執行取締役役の責任限定契約定款変更案の総会提出への同意

 ⑤ 監査等委員以外の取締役が被告の代表訴訟に会社が補助参加することの同意

 3 監査等委員の報酬等は、監査等委員会において、協議によって定めることができる。

 第13条(協議)

 監査等委員は、次の権限の行使及び義務の履行その他必要があるときは、監査等委員会において協議を行う。ただし、各監査等委員の法律上の権限の行使及び義務の履行を妨げない。

 ① 取締役が不正の行為をし、若しくは当該行為をするおそれがあると認めるとき、又は法令・定款に違反する事実若しくは著しく不当な事実があると認めるときの取締役会に対する報告

 ② 取締役が株主総会に提出しようとする議案、書類(電磁的記録を含む。)が、法令・定款に違反し、又は著しく不当な事項があると認めるときの株主総会に対する報告

 ③ 取締役の職務執行の差止請求

 ④ 監査等委員の選任、解任、辞任及び報酬等の株主総会における意見の陳述

 第14条(調査)

 1 監査等委員会は、取締役に対し監査等委員会の出席を要求し、監査等委員会が求めた事項について、説明を受けることができる。

 2 前項のほか、監査等委員会は、常任選定監査等委員を通じて、第9条第1項各号の調査又は報告の徴取を行い、必要に応じて、関係する者を監査等委員会に出席を求めることができる。

 第15条(監査等委員の監査等委員会に対する報告)

 1 監査等委員は、監査等委員会の職務の執行について、定期又は随時、監査等委員会に報告する。

 2 監査等委員は、取締役、従業員、会計監査人その他の者から報告を受け、又は書類を受領したときは、遅滞なく監査等委員会に報告する。

 第16条(監査報告の作成)

 1 監査等委員会は、監査報告の内容を決定し、これを作成する。

 2 監査報告の内容と異なる意見がある監査等委員は、その意見を監査報告に付記することができる。

 第17条(議事録)

 1 監査等委員会の議事録は、法令で定めるところにより、書面(電磁的記録を含む)をもって作成し、出席した監査等委員は、これに署名し、又は記名押印(電子署名を含む)する。

 2 議事録は、裁判所の許可を得た株主、債権者又は親会社社員でなければ閲覧又は謄写をすることができない。

 3 監査等委員会の議事録は、監査等委員会の日から10年間本店に備え置くものとする。

 第18条(事務局)

 監査等委員会の事務局は、監査等委員会の指示に従いその職務を補助し、監査等委員会の招集通知の発送、議事録の作成その他の事務手続きを行う。
 

 第19条(職務の執行についての費用請求)

 監査等委員は、職務の執行(監査等委員会の職務の執行に関するものに限る)について費用の前払を必要とし、又は支出(債務の負担を含む)したときは、会社に対しその定める手続きに従い請求をすることができる。

 第20条(監査基準)

 監査等委員会及び監査等委員の職務に関する事項は、法令、定款又は本規程に定める事項のほか、監査等委員会において定める監査等委員会監査基準による。

 第21条(本規程の改廃)

 本規程の改廃は、監査等委員会の決議による。


以上です。弁護士 出澤 秀二

 

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