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2015年9月20日 (日)

監査等委員会設置会社の話(2)

  監査等委員会設置会社の話をしばらく続けます。今回は、「常勤」の話です。

  監査等委員会は、監査等委員3名以上で構成し、過半数が社外取締役、全員が非業務執行取締役でなければならない。

委員会という機関で監査等の職務を行うため、監査役の場合の独任制と異なり、組織的監査といわれる。そして、指名委員会等設置会社に倣い、「常勤」を必要としない。

 
法は、「常勤」の有無については、中立的であり、会社法に「常勤」の存在をうかがわせる規定はなく、会社法施行規則に「常勤の監査等委員」の有無・その理由を事業報告記載事項としているだけである。

 
それでは、常勤の監査等委員を置くことについてはどのように考えるべきであろうか。監査等委員会設置会社の定款を見ると「常勤の監査等委員を置く」というタイプと「常勤の監査等委員を置くことができる」のタイプがある。前者は、最初からの設計として、「常勤」を必要機関としているわけであるが、後者の場合は、任意の選定である。

 
純粋に組織的監査では、内部統制が高度に機能していなければならず、このためには、内部監査部門がこれまでの監査役会設置会社の常勤の役割を果たすだけの位置づけ(情報収集力、独立性を含む。)が与えられていなければならない。しかし、これまでの監査役会設置会社における常勤監査役の職務の広さと深さを考えると、これらの仕組みが一朝一夕に従来の「常勤」の機能を満たすものとは想定しにくく、「常勤」を廃止することは、問題を見過ごす危険を増大させることになりかねない。

したがって、やはり「常勤」は必要と考える。

 
ところで、任意の選定の場合は、誰が(どこが)「常勤」を置くかどうか決定するのであろうか。任意の機関であるので、まず、会社としての判断(取締役会ないし経営陣幹部)が必要であろう(「使用人の選任」でも「業務執行の決定」でもないので役会決議事項というわけではない。)。会社の判断として、内部統制システムの基本方針(取締役会決議事項)で、「常勤を置く」ないし「常勤を置くか否かを監査等委員会が決定する」旨を規定し、監査等委員会で選定するのが、監査の充実性と独立性の観点から望ましいプラクティスだと思う。

*「経営陣幹部」という用語を使いましたが、この用語は、コーポレートガバナンス・コードに出てきます。さて、「経営陣」との違いは何でしょう?皆さんの会社では、どう定義していますか。

弁護士 出澤 秀二

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