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2015年10月 4日 (日)

監査等委員会設置会社の話(5)

月刊監査役10月号に「監査等委員としての実務対応―監査役との違い―(上)」というパネルディスカッションの記事が掲載されていた。


 
「上」の今回は、「取締役会における意思決定への関与」が主なテーマである。


 
そうなると、論者の主張は、「社外取締役に求められる役割」に主眼を置くことになるが、読んでいて、「社外取締役が監査等委員でもある」のか、「監査等委員が社外取締役でもある」のか、現実問題として、会社としては、監査等委員に「社外取締役の役割」をどこまで求めるかかという基本的なスタンスを考えておく必要があるのではないかと感じた。

CGC
では、「独立社外取締役」は、「取締役会における議論に積極的に貢献」するという「攻め」の姿勢が求められている。

しかし監査の役割を担う機関は、いくら「守備範囲を過度に捉えることは適切ではない」(「監査役」の場合)といわれても、やはり基本は「守り」を完璧にすることが求められているのである。監査機関が「守り」をおろそかにすることは、会社を危険にさらすことであり(経営陣が安心して業務執行に従事できない)、また、自分自身の職務懈怠にもなる。


 
この「攻め」と「守り」を同時に使い分けることは、必ずしも容易なことではない。取締役会で審議される事項についても、「攻め」の姿勢は場合によっては、監査の「守り」の機能を希薄化させるおそれなしとしない(自己の「積極的意見」を述べた事項は、後日監査の対象としにくい)。


 一口に「独立社外取締役」といっても、複数いる場合の皆が皆、同じ役割を期待されているわけではなく(ここでも多様性が妥当する)、「社外(非常勤)監査等委員」には、「会社としては、監査機能の役割を特に期待する」というその期待する役割を明確化し、活動しやすい環境を作るのが、監査機能の充実を図るゆえんである。監査機能は、決して弱化してはならない。


弁護士 出澤 秀二

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