法務

2015年11月10日 (火)

省令案要項~女性活躍推進法

 

828日に「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」が成立しました。同法では、労働者300人を超える企業には、自社の女性の活躍状況の把握、課題分析、「一般事業主行動計画」の策定・届出、情報公開等を行うことが義務付けられます。


 
この度、企業が義務付けられる事項の具体的な内容を定める省令案の要項について、厚生労働大臣から、労働政策審議会に対して諮問がなされ、同審議会から厚生労働大臣に答申が行われました。これにより、事業主がどのような事項を把握し、公表すべきかが明らかになりました。


 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000100073.html


 
省令案要項の主な内容は、以下のとおりです。


(1)
 女性の職業生活における活躍に関する状況の把握

 事業主が一般事業主行動計画を策定又は変更するときに把握する事項について、


①必ず把握すべき項目(「必須把握項目」)として、以下の4項目

・採用した労働者に占める女性労働者の割合

・男女の平均勤続年数の差異

・各月ごとの労働者の平均残業時間等の労働時間

・管理職に占める女性労働者の割合の4項目を、


②必要に応じ把握する項目(「任意把握項目」)として、男女別の採用における競争倍率、女性労働者の割合、男女別の配置状況等の21項目を定める。


(2)
 一般事業主の認定の方法等

認定基準について、①女性の職業生活における活躍の状況に関する実績に係る基準、②その他の基準を定め、さらに実績に係る基準を満たす項目の個数に応じて、認定を3段階に設定する。


(3)
 一般事業主による女性の職業選択に資する情報の公表

事業主が選択して行う情報の公表の項目として、以下の14項目を定める。

①採用した労働者に占める女性労働者の割合

②男女別の採用における競争倍率

③女性労働者の割合

男女の平均継続勤務年数の差異

⑤男女別の継続雇用割合

⑥男女別の育児休業取得率

⑦労働者1人当たりの時間外労働及び休日労働の1月あたりの合計時間数

⑧雇用管理区分ごとの労働者1人当たりの時間外労働及び休日労働の1月当たりの合計時間数

⑨有給休暇取得率

⑩係長級にある者に占める女性労働者の割合

⑪管理職に占める女性労働者の割合

⑫役員に占める女性の割合

⑬男女別の職種の転換又は雇用形態の転換及び派遣労働者の男女別の雇入れの実績

⑭男女別の再雇用または中途採用の実績


 
実施を義務付けられる労働者300人を超える企業は、2016 4 1 日までに、自社の女性の活躍状況の把握、課題分析、「一般事業主行動計画」の策定・届出、情報公開等を行う必要がありますので、今から準備を進めておくようにしてください。


 
弁護士 丸野 登紀子

2015年10月12日 (月)

セミナー:民法・特許法等の法文から考える契約書審査・作成講座《基礎編》

あたらしい契約法のセミナーを行います。


特許発明実施権許諾契約と共同研究開発契約を題材にし、民法や特許法などの法文が契約条項の作成・解釈にどのような基礎を提供しているのかという観点を踏まえて、契約書の審査・作成のポイントを解説します。


 
民法(債権法)を体系的に学習したことのない、又は契約条項にどのように法文が影響するのかの理解を深めたいという、実務で契約書(特に上記契約類型)を審査する立場にある、知的財産部、法務部、総務部の担当者等を対象とした基礎的講座です。


 
これまでの契約法講座と一部の内容が重複していますのであらかじめご了承ください。


 
日時: 平成27年12月3日(木)午後2時00分~午後5時00分

会場: 金融財務研究会本社 グリンヒルビル セミナールーム

(東京都中央区日本橋茅場町1-10-8

http://www.kinyu.co.jp/cgi/seminar/272265.html


 
以下は、項目です。

1 契約の基本構造-成立、効力発生、履行、消滅

1 総論

2 契約書の作成、検討、審査の基本

3 契約の成立

(1) 契約の成立

(2) 主張責任・立証責任

(3) 法的強制力が生じる合意と生じない合意

4 効力の発生

(1) 効力発生要件

(2) 効力発生障害事由

(3) 契約解釈の指針

5 契約の履行

(1) 債務の本旨に従った弁済

(2) 権利行使阻止事由

6 契約の終了と効力の消滅

7 ポイントとなる条項

(1) 瑕疵担保責任

(2) 損害賠償

2 特許発明実施権許諾契約と共同研究開発契約

1 知的財産権

(1) 概念の整理

(2) 権利保証の性質

(3) 秘密保持義務

2 実施権許諾契約

(1) 概要とポイント

(2) 実施権許諾契約の条項

3 共同研究開発契約

(1) 概要とポイント

(2) 共同研究開発契約の条項

4 一般条項


 
初めて実施するセミナーで、連休中もレジュメを作成中ですが、興味をもっていただける内容になりそうです。


 
ところで、この1015日にも同所で「企業法務担当者、弁護士等専門家等のための、 契約書作成・チェック・審査上級講座(Part2)」のセミナーを実施します。

どうぞご参加ください(経営調査研究会での私の契約法講座の受講者は延べ250名を超えました。多くの方にご参加いただきありがとうございました。)。

http://www.kinyu.co.jp/cgi/seminar/271933.html


 
弁護士 出澤 秀二

2015年10月 4日 (日)

監査等委員会設置会社の話(5)

月刊監査役10月号に「監査等委員としての実務対応―監査役との違い―(上)」というパネルディスカッションの記事が掲載されていた。


 
「上」の今回は、「取締役会における意思決定への関与」が主なテーマである。


 
そうなると、論者の主張は、「社外取締役に求められる役割」に主眼を置くことになるが、読んでいて、「社外取締役が監査等委員でもある」のか、「監査等委員が社外取締役でもある」のか、現実問題として、会社としては、監査等委員に「社外取締役の役割」をどこまで求めるかかという基本的なスタンスを考えておく必要があるのではないかと感じた。

CGC
では、「独立社外取締役」は、「取締役会における議論に積極的に貢献」するという「攻め」の姿勢が求められている。

しかし監査の役割を担う機関は、いくら「守備範囲を過度に捉えることは適切ではない」(「監査役」の場合)といわれても、やはり基本は「守り」を完璧にすることが求められているのである。監査機関が「守り」をおろそかにすることは、会社を危険にさらすことであり(経営陣が安心して業務執行に従事できない)、また、自分自身の職務懈怠にもなる。


 
この「攻め」と「守り」を同時に使い分けることは、必ずしも容易なことではない。取締役会で審議される事項についても、「攻め」の姿勢は場合によっては、監査の「守り」の機能を希薄化させるおそれなしとしない(自己の「積極的意見」を述べた事項は、後日監査の対象としにくい)。


 一口に「独立社外取締役」といっても、複数いる場合の皆が皆、同じ役割を期待されているわけではなく(ここでも多様性が妥当する)、「社外(非常勤)監査等委員」には、「会社としては、監査機能の役割を特に期待する」というその期待する役割を明確化し、活動しやすい環境を作るのが、監査機能の充実を図るゆえんである。監査機能は、決して弱化してはならない。


弁護士 出澤 秀二

2015年10月 2日 (金)

フォローアップ会議に係る意見募集

金融庁が「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議に係る意見募集について」を公表し、「今後の会合において議論・検証されるべきと考えられる事項、その他コーポレートガバナンスの更なる充実等に関し、広く意見を募集」しています。

http://www.fsa.go.jp/news/27/sonota/20150924-1.html


 
そこで早速、次の意見を送信しました。


 
1.今後の会合において議論・検証されるべきと考えられる事項


CGC
は、形だけ合わせるのでは意味はありません。CGCの内容は、あくまでも一般的に、企業価値を向上させるためにはどうすればよいかという「仮説」ですので、その仮説の検証を含め、真に自社に適した(自社の企業価値を向上させる)方策が求められています。


 
そこで、フォローアップ会議でも、単に各社の導入状況、実施・説明の分析にとどまることなく、CGC原則が「企業価値向上」という目的に効果的に寄与しているかどうかの検証をお願いしたいところです。


 
例えば、独立社外取締役2名以上というのが、従前の0名ないし1名の場合と比較して、どのように自社のCGの向上に貢献できている(と考えている)のかなどのアンケートを実施し、CGC原則の「仮説」を検証するという観点から、有益な検討、議論がされることを望みます。


 
2.コーポレートガバナンスの更なる充実


 
原則4-11は、監査役には財務・会計の知見のある者1名以上選任されるべきとありますが、上場会社の場合、会計監査人が監査を実施し、監査役は、その監査内容を定期的かつ適時に説明を受けますので、特に「財務・会計の知見」がなくてもその理解ができれば(通常、これができる監査役が選任されています)、特段の問題はありません。


 
むしろ、「法務の知見」の方が生かされる機会が多いのが、上場会社の監査役実務の実情だと思います。監査の際に法的判断を行うことはしばしば経験します。ただし、常勤監査役の場合は、会計監査人の対象としていない重要性の基準からはずれる事象や社内に常駐するところから認識する日々の経理関係事項について、財務・会計の知見が生かされていると感じています。


 
したがいまして、「非常勤社外監査役には法務の知見のある者1名以上選任」といった、「法務の知見」を生かす方向性をCGCに盛り込んでいただくと、上場会社のリスクテイキングの土俵を一層強固にできるものと考えます。


 
せっかくの意見募集ですので、皆様も機会をとらえて、ご自身の考えを提供されたらいかがでしょうか。


 
弁護士 出澤 秀二

2015年9月29日 (火)

コーポレートガバナンス・コードへの対応状況

「コーポレートガバナンス・コードへの対応状況及び関連データ」が、2015924日付けで東京証券取引所から公表されています。


 http://www.fsa.go.jp/singi/follow-up/siryou/20150924/04.pdf


 
この資料は「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」(金融庁)の第1回会議で配布されたものです。

http://r26.smp.ne.jp/u/No/351473/j5m338g6gfgJ_2810/351473_150925014.html


CGC
は、6月1日から適用開始となりましたが、8月末までに111社が開示を済ませています。この資料は、そのうち基本原則・原則・補充原則(合計73原則)すべてが適用される市場1,2部の企業68社の開示内容を分析したものです。


CGC
は、「コンプライ(実施)又はエクスプレイン(説明)」ルールを適用していますが、全原則を実施している企業は、41社(60.3%)に及んでいます。


 
実施率の最も低い原則は、「補充原則4-11③」(取締役会による取締役会の実効性に関する分析・評価、結果の概要の開示)となっています(実施52社、説明16社。説明率23.5%)。


 
また、独立社外取締役が「2名以上選任」されている市場1部の企業は、2015年(729日公表資料)には、前年の21.5%から48.4%と倍以上になっており、選任の動きが加速している様子が見て取れます。


 
ところで、各社とも、CGCに形だけ合わせるのでは意味はありません(コストアップにすぎません)。CGCの内容は、あくまでも一般的に、企業価値を向上させる(コーポレートガバナンスを効かせる)ためにはどうすればよいかという「仮説」ですので、その仮説の検証を含め、真に自社に適した(自社の企業価値を向上させる)方策が求められています。


 
フォローアップ会議でも、単に各社の導入状況、実施・説明の分析にとどまることなく、CGC原則が「企業価値向上」という目的に効果的に寄与しているかどうかの検証が必要でしょう。CGC原則の「仮説」を検証する(例えば、独立社外取締役2名以上というのが、0名ないし1名の場合と比較してどのように自社のCGの向上に貢献できているのか)という観点から、有益な検討、議論がされることを望みます。


 
弁護士 出澤 秀二

2015年9月27日 (日)

閑話

連休続きで本格稼働がこれからという方も多いのではないかと思います。

そこで、今日は、主題を離れた趣味の話をいたしましょう。


 
私の趣味はオペラ鑑賞です。歌い手の絶唱が受容側の精神の波長とよく合うらしく、神経細胞が共鳴し、高揚感と痺れる感覚を得られるのです。誰でも、スポーツ観戦、読書などで全身に痺れる高揚感が走る体験をしたことがあると思いますが、私の場合は、それがオペラ鑑賞だったということのようです。


 
この1週間、延べ8作品ほど鑑賞しました。いくつかご紹介します。

まず、コルンゴルト(1897-1957)23歳の作品「死の都」(フィンランド国立歌劇場ライブのDVD)です。亡き妻マリーの幻影を常に抱きながら生活をしている主人公のパウルが、亡妻に瓜二つの劇団員の女性マリエッタに出会い、夢や幻想と現実を交錯させる物語です。主人公役は、フォークトというドイツのテノールですが、澄んだ高音が音楽の透明感に溶け込んで、陶酔感を抱けた作品でした。その一場面です。

https://www.youtube.com/watch?v=nAUpl8nLmqs


 
この演出は、昨年、新国立劇場でも公演(NHK BSで放映)されたものと同じですが(歌手、オーケストラは異なります。)、マリーの黙役が物語を一層表情豊かなものとしています(新国版の黙役の方が幻想の世界と、触れたら無くなりそうな脆さを巧みに表現していました。フィンランド版は、生命感が若干豊かに出すぎです。)。

http://www.nntt.jac.go.jp/opera/dietotestadt/


 
また、ヴェリズモオペラの典型である、マスカーニ(1863-1945)の「カヴァレリア・ルスティカーナ」は、続けさまに3作品を見ました。この作品は、間奏曲が有名で、誰もが耳にしたことがあると思います。

https://www.youtube.com/watch?v=LCVNHu3qtDo(カラヤン)


 
最初にホセ・クーラのチューリッヒ歌劇場ライブのBDをみたのですが、学芸会のような演出と感情表現が三文演劇的なプロダクションで、まるでブランデーの入っていない西洋菓子を生ぬるい紅茶と一緒に食べたような残念な後味だったため、口直しをしないといけないと、YouTubeを探してみました。


 
すると、面白そうな作品を2つ見つけました。アラーニャのオランジェ2009年とカウフマンのザルツブルグ2015年がアップされていたのです。この2人は、いずれも現代の人気テノールです。カヴァレリア・ルスティカーナは、上演時間が1時間10分程度で、一般的なオペラ作品が2時間半以上もあるのとは違って、気軽に見られるのが特徴です。続けて見ました。そして、よい口直しができました。やはり、オペラは、よい歌手と演出で見たいものです。

https://www.youtube.com/watch?v=jQuKUMNjQkM

https://www.youtube.com/watch?v=HAHxy68ZZU8

弁護士 出澤 秀二

2015年9月20日 (日)

監査等委員会設置会社の話(2)

  監査等委員会設置会社の話をしばらく続けます。今回は、「常勤」の話です。

  監査等委員会は、監査等委員3名以上で構成し、過半数が社外取締役、全員が非業務執行取締役でなければならない。

委員会という機関で監査等の職務を行うため、監査役の場合の独任制と異なり、組織的監査といわれる。そして、指名委員会等設置会社に倣い、「常勤」を必要としない。

 
法は、「常勤」の有無については、中立的であり、会社法に「常勤」の存在をうかがわせる規定はなく、会社法施行規則に「常勤の監査等委員」の有無・その理由を事業報告記載事項としているだけである。

 
それでは、常勤の監査等委員を置くことについてはどのように考えるべきであろうか。監査等委員会設置会社の定款を見ると「常勤の監査等委員を置く」というタイプと「常勤の監査等委員を置くことができる」のタイプがある。前者は、最初からの設計として、「常勤」を必要機関としているわけであるが、後者の場合は、任意の選定である。

 
純粋に組織的監査では、内部統制が高度に機能していなければならず、このためには、内部監査部門がこれまでの監査役会設置会社の常勤の役割を果たすだけの位置づけ(情報収集力、独立性を含む。)が与えられていなければならない。しかし、これまでの監査役会設置会社における常勤監査役の職務の広さと深さを考えると、これらの仕組みが一朝一夕に従来の「常勤」の機能を満たすものとは想定しにくく、「常勤」を廃止することは、問題を見過ごす危険を増大させることになりかねない。

したがって、やはり「常勤」は必要と考える。

 
ところで、任意の選定の場合は、誰が(どこが)「常勤」を置くかどうか決定するのであろうか。任意の機関であるので、まず、会社としての判断(取締役会ないし経営陣幹部)が必要であろう(「使用人の選任」でも「業務執行の決定」でもないので役会決議事項というわけではない。)。会社の判断として、内部統制システムの基本方針(取締役会決議事項)で、「常勤を置く」ないし「常勤を置くか否かを監査等委員会が決定する」旨を規定し、監査等委員会で選定するのが、監査の充実性と独立性の観点から望ましいプラクティスだと思う。

*「経営陣幹部」という用語を使いましたが、この用語は、コーポレートガバナンス・コードに出てきます。さて、「経営陣」との違いは何でしょう?皆さんの会社では、どう定義していますか。

弁護士 出澤 秀二

2015年9月19日 (土)

監査等委員会設置会社の話

 監査等委員会設置会社の導入の勢いが止まらない。

 
日経新聞の9月15日の記事によると、移行済み・移行表明の上場企業は14日時点で220社(うち東証1部以外の上場企業は111社)とのことで、上場会社の6%にも及んでいる。

この勢いだと、来年の6月総会終了時には、これが2割程度になってもおかしくはない。
 

 ところで、この機関設計には、あらかじめ留意を要することが大きく2つある。

1.監査等委員会が従来の監査役及び監査役会の機能を持ちながら、各委員が取締役でもあることから、自己監査を極力回避する方策を検討しておくこと。

 すなわち、監査的観点から見ると、取締役会で賛成した事項について、あとで監査がしにくい、すなわち監査の実効性が損なわれる可能性がある(自己監査)。

 これを避けるには、重要な業務執行の決定を、経営会議ないし業務執行取締役に委任し、取締役会は、基本的な事項を決定し、業務執行の監督に機能の重点を移すという方策が検討されることになろう。

これまでの監査役に、取締役としての議決権を持たせて監督の実効性を上げることに主眼を置き、取締役会の決議事項を従前通りとする会社もあるが、この場合、監査等委員は、後からも監査をしなければならない立場から、取締役会での審議には監査役以上の相当程度の緊張を迫られるといえよう。

2.監査等委員会の「等」の方針を明確化しておくこと。

 「等」は、監査等委員会が(その選定する委員を通して)株主総会において、監査等委員以外の取締役の選任、報酬等に意見を述べる権限を意味している。この権限は、これまでの「監査」の範囲を超えているため、表現上「等」とせざるを得なかったところである。

 すなわち、監査役が通常の職務の遂行過程では触れてこなかった取締役の人事・報酬について、監査等委員会において、株主総会で意見を陳述するか否かの検討が必要になるということである。

「意見陳述をしない」としても、株主の質問を受ければ、しない理由を説明せざるを得ず、いずれにせよ事前の検討は不可欠である。実務的には、まだどうなるかわからないが、監査等委員会の監査報告の際に、「特に不適正な点はなく意見はない」旨を自ら報告するプラクティスが生じる可能性もある。

 監査等委員会に取締役の人事・報酬に触れられるのを好まない経営陣幹部がいる会社であれば、この点は摩擦が生じかねないので、本機関設計の導入を見送った方がよいかもしれない。

 
以上の基本的なポイントの対応は先決事項である。

  なお
、この6月総会で監査等委員会設置会社に移行した三菱重工が「三菱重工コーポレート・ガバナンス・ガイドライン」を公表している。

http://www.mhi.co.jp/companygovernance/
 

上記2の点に関して気になるところはあるが、全般的に参考になる。

弁護士 出澤 秀二

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